AKG K612 Pro レビュー

 長年、音楽制作時のモニタリングで愛用しているAKG K240Sの後釜として
同じくAKGの新製品 K612 Proを導入しました♪

(左:K240S 右:K612 Pro)

K612はK240と違い完全な開放型なので、マイク録音時のモニターには使えません。
まぁK240も録音時のモニターには使ってなかったけど(^^;;
マイク録りのときはVictor HA-MX10とSONY MDR-7506(改)を使います。
なので、用途としてはミックス時のチェック用ということになります。
この用途において、K612はバツグンのチカラを発揮してくれます!

買うときには、当然、上位モデルのK712 Proとも比較試聴しました。
むしろ最初はそちらが本命だったんですけどねw
K712の音を簡潔に表すと "音場が広く、シルキーかつウォームで繊細な音" という感じでしょうか。
前モデルのK702よりも低域の量感が改善されて、よりフラットな周波数特性になっています。
それと比べると、K612の音は "ちょっと音場が狭く、ドライかつクールでパキッとした音" という感じです。

実は、最初に試聴したときは、どちらもiPhone5に直挿しして聴いてたんですが、
そのときのK612の印象はちょっと違ってました。
音像が小さく、頭内定位感が強調されたような感じというか・・・。
違和感を抱きつつも、定位感の良さは強く感じましたね。
あと、これはわかってたことですが、音量がまったく稼げない!
K612のインピーダンスは120Ωと高いので、そこらの携帯プレイヤーでは太刀打ちできません(^^;;
また、インピーダンスが高いということは、それだけアンプの影響を受けやすいということです。
iPhoneのアンプ程度では本領を発揮できず、ちょっと印象が悪かったようですね。
自宅スタジオのRME Fireface UFXのヘッドフォン出力では見違えるようにまともな音になりましたw
ちなみにK712の方は62Ωなので、iPhoneでもそこそこ鳴らせます。

さて、音楽制作環境でK612を使ってみての感想を箇条書きにしてみます。

・周波数特性的にはフラット方向だけど、高域は若干ピーキー、中域〜中低域はやや薄い
・低域はかなり低いところまで確実に伸びていて頼もしい
・AKG特有の音場の広さは健在だけど、K712よりも耳に近い感じ
・定位感が良く、特にセンター定位は高域から低域までビシッと決まる!
・低域の解像度が高く、ベースラインなどが良く見える
・トランジェントがバツグンに良い!!
・音圧感をあまり感じないので、音量をかなり上げても耳への負担が少ない
・いままで使ってきたヘッドフォンの中で、ピアノ曲が最も美しく鳴ってくれるヘッドフォン♪

という感じでしょうか。
特に驚いたのがトランジェントの良さで、これはもう特筆ものです!
音の立ち上がりが正確に再現されるので、2種類の音色をレイヤーしたサウンドの
微妙なズレや音色の違いがコワイくらいに見えます。
生楽器でも、ストリングスやホーンのセクションの人数感などがよく分かりますね。
先述の通りセンター定位がかなりビシッと出てるし、音の分離も良いので、
各楽器に意識をフォーカスしやすいです。
特に低域は本当に見えやすい♪
リバーブの消え際などもバッチリ見えるし、
ノイズなどの細かい音も指でつまめるんじゃないかと思えるほどハッキリ確認できます。

というワケで、かなり音楽制作時のモニターに向いた音だと言えるのではないでしょうか?
それもバランスをとるとかではなく、粗探し用の顕微鏡的なツールとして。
音楽を楽しく聴くというよりは、分析的に聴くのがラクなヘッドフォンだと思います。
ただし、僕の場合、DAがRMEなので、そのキャラも色濃く出ているハズです。
太い音の出るアンプや真空管アンプなどを使うと、また印象が変わるでしょう。
逆にK712はもっと音楽的に均整のとれた音なので、リスニング用途は言うに及ばず、
ミックスのバランスチェックやマスタリング時のチェックに向いてると思われます。
用途や好みによって選べるというのは良いですね♪
まぁK712の方は価格が2倍以上してますが(苦笑)



the view from "monoposto"

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